( 12/23 付 )

 丑(うし)年の年賀状の図案に悩む父親に、小学生の息子が自作の瓶入り牛乳の版画を使うよう提案する。OKをもらった息子は張り切って手伝うが、全て刷り終えた後にはがきの上下が逆だと気付く…。

 先日放映されたアニメ「サザエさん」の一場面だ。磯野カツオ君は級友らが持ち寄った年賀はがきで刷り直し、急場をしのぐ。一方、事情を知った波平さんは頑張ったわが子宛てにも1枚準備した。互いを思う気持ちに心が温まった。

 今年も残りわずか。磯野家のように年賀状作りに追われる家も多かろう。せわしい年の瀬にあってもどんな仕上がりにしようかと考えを巡らすのは楽しい。

 ただ、年賀はがきの発行枚数は減少傾向が続く。今年はコロナ禍で企業広告用の利用低迷が見込まれ、過去最少の19億4000万枚にとどまる。ネット全盛とはいえ、ピーク時の半分にも満たないのは何とも寂しい。

 富士フイルムがコロナで帰省を見送るなら代わりに何がしたいかを子育て世代に尋ねた。メールなどでのあいさつを抑え、最も多かったのは「家族写真付き年賀状を送る」。コミュニケーション手段として改めて注目されているのは興味深い。

 感染の「第3波」が収まらない。今年は帰らないと決めた人は、実家や友人と思いを込めた手作りの一枚をやり取りしてみてはどうだろう。ステイホームの正月がより豊かなものになるかもしれない。