( 12/27 付 )

 鹿児島市との境に近い薩摩川内市入来の岩下川流域は、大小10カ所以上の滝が集中し「岩下仙峡」と称される。先日一部を案内してもらい、名称同様に何とも味わい深い滝に出合った。

 滝というと水が一気に落下する豪快なイメージが強いが、なだらかな傾斜を滑り落ちるように流れる滝が目を引いた。中でも践祚(せんそ)滝は、人が積んだ階段かと見まがうほど岩の造形が見事だ。

 近くの同市樋脇町藤本地区の人々は、岩下仙峡などの滝巡りルートの開拓を進めてきた。下流には藤本滝があり、周辺を整備して公園化した実績がある。人口は200人足らずだが、交流人口増に懸ける思いは熱い。

 住民が期待するもう一つの地域資源が、県道川内郡山線沿いにある「七福岩」である。七つの岩が林立する姿が宝船に乗り込んだ七福神を想像させるのが名の由来というから縁起がいい。

 昔は枝ぶりのいい松やイワツツジも見られた名所だったが、戦後は乱掘や松くい虫被害に遭ったうえに雑木が生い茂り、台無しになっていた。住民は景観復活に向け、一昨年から雑木の伐採などに取り組んでいる。中心人物の一人、鬼塚透さんは「見えにくくなっていた山桜も、来春楽しんでもらいたい」と話す。

 鬼塚さんは滝についても「七福神滝巡り」というネーミングを思い描く。地区民が心を一つにして進める地域おこしには、何か御利益もありそうだ。