( 1/20 付 )

 受験の不正行為と言えばカンニングが思い浮かぶが、マスクの着け方がやり玉に挙がった。先日の大学入学共通テストで、マスクから鼻が出ていた受験生が失格になった。

 東京の会場で試験監督が鼻を覆うように6回も求めたが従わず、退席を命じられた。その後、会場のトイレに入り施錠したまま夜まで出てこなかったため、警察に逮捕される騒ぎになった。49歳の男性だった。

 コロナ感染拡大の緊急事態宣言下である。試験の途中で注意が繰り返される状況に、教室の緊張度はさらに増したに違いない。周りの受験生の集中力はそがれなかったか気にかかる。

 文部科学省は、鼻と口を確実に覆うことは政府として啓発しており、試験監督の指示に従わないのは不正行為に当たるとした。萩生田光一文科相も「他の受験生に精神的な影響を与え、看過できない状況だったと聞いた。適切な措置だった」と述べている。

 マスク拒否で航空機を臨時着陸させた例はあっても、鼻出しマスクの人は街ではさほど珍しくない。鼻を覆わないくらいで注意されないといけないのか、と思った人もいるかもしれないが、入試の場は万全の感染防止策が必要なのだろう。

 私立を含めた入試シーズン本番を迎えて、なお感染は収まらない。マスク着用が難しかったら事前に申告するといい。ルールを守って受験を無事に乗り切ってほしいと願うばかりだ。