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 27歳の平幕大栄翔が初優勝した大相撲初場所で、地味ながら光る記録が生まれた。現役最年長で50歳の序ノ口華吹(はなかぜ)が勝ち越した。一部スポーツ紙によると、50歳以上の勝ち越しは実に116年ぶりだそうだ。

 本紙にも一昨年、昭和、平成、令和の三つの元号で土俵に立った力士として写真入りで登場している。「限界が近いかもしれないけど、最後まで頑張ってほしい」という師匠のエールから2年たった今も相撲を取り続けていることに頭が下がる。

 快挙の陰には信念に支えられた並々ならぬ努力があるのだろう。57歳で難関の司法試験に合格した姶良市の小島くみさんもその一人。10代のころから憧れていた法律の世界を目指し、50歳を前に仕事を辞めた。

 鹿児島大学法科大学院で学び、卒業後も鹿大に通い、ひたすら書いて覚える勉強を朝から晩まで続けた。新型コロナウイルスの影響で通学できない日もあったが、4度目の挑戦で夢をつかんだ。

 「不安はあるが、いろいろなことを楽しめるよう頑張りたい」。長年、別の分野で働いてきた人ならではの余裕が伝わってくる。弁護士の道に進む。弱い立場の人に寄り添うとき、これまでの人生経験が生かされるはずだ。

 コロナ下、就職や進学で回り道を余儀なくされた人もいるだろう。焦る必要はない。夢をかなえるのに遅すぎることはないのだから-。志さえあれば道は開ける。