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 流れ星に願い事を唱えればかなう、という。由来は諸説あるが、ヨーロッパの古い信仰によれば、流れ星は神様が天界の窓から下界を見ている時に漏れた光と言い伝えられる。

 そんなロマンあふれる流れ星を、遊び心で再現するイベントが「流れ星新幹線」だ。JR九州が3月14日、一夜限りで運行する。客は乗せず照明器具を積み込む。どんな光を放ちながら駆け抜けるのだろうか。

 願い事を募り、選んだ777点を外装や車両内に掲示する。無料通信アプリのLINEを使って、家族や友達の願いも一緒に応募できるという。採用しなかった分も含め、寄せられた全ての願い事は製本して太宰府天満宮に祈願・奉納される。

 イベントは九州新幹線の全線開業10年の記念を兼ねている。開業前日に東日本大震災が起き、記念行事は中止・縮小された。その後も九州では2016年の熊本地震や17年と20年の7月豪雨など災害の爪痕が今もあちこちに残る。

 復旧がいまだ見通せない肥薩線やコロナ禍による大幅な赤字など、JR九州も数々の難題を抱えている。「苦難に満ちた10年だった。九州全土に希望の光が届くイベントにしたい」との青柳俊彦社長の言葉は、自身への励ましにも聞こえた。

 流れ星新幹線は当夜、鹿児島中央駅を出発する。博多までの道中、一筋の光が夜空を照らす姿を楽しみに待ちたい。もちろん願い事も忘れず。