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 新型コロナ患者の命を守ろうと最前線で奮闘する医師。片や、緊急事態宣言下に銀座のクラブで飲食し辞職や離党に追い込まれた国会議員。同じ「先生」でも落差が大きい。

 先生とは元来、尊敬を込めて呼ばれ、多くの人を助け、導く職業である。試験や選挙という関門をくぐり抜けなければならない点も共通する。その代表格といえる公立学校教員の採用倍率低下に歯止めがかからない。

 特に小学校は、2019年度試験の全国平均が過去最低の2.7倍に落ち込んだ。鹿児島県は2.6倍。12自治体で2倍を切った。10倍を超えていたピーク時に比べるとずいぶん広き門になった。

 大量退職を補う採用増が続いたことが要因だが、忙しさが敬遠されて人材が民間に流れた面も否めない。35人学級の全学年導入を控え、文部科学省は免許要件などを見直して人材確保を図るという。

 コロナ禍によって、校内の感染防止策やオンライン対応といった新たな負担も生まれている。働き方改革を急ぎ、教員を志す若者を増やしたい。志望動機は「倍率が低かったから」ではなく、「やりがいがあるから」であってほしい。

 教員志望者は教育実習で現場の実態を目の当たりにする。現役の先生が生き生きと働き、児童らと一緒に成長する姿を見せられるといい。教室が魅力ある職場になれば、子どもたちにとっても楽しい学びの場になるはずだ。