( 2/11 付 )

 東京五輪・パラリンピック組織委員会トップの女性蔑視発言への批判が収まらない。擁護しようとした自民党幹事長は、大会ボランティアを軽んじるかのような失言で火に油を注ぐ始末だ。

 2人が「口は災いの元」を体現してみせたからではなかろうが、新型コロナウイルス対策で、黙って行動する「黙活」が注目されている。福岡市のカレー店が食事中に会話をしない黙食を求めるポスターを作り、評判になったのが始まりとされる。

 鹿児島県もクラスター(感染者集団)が相次ぐ高齢者施設で感染を広げない対策として、3黙を呼び掛け始めた。黙食のほか、喫煙所で話さないのが黙煙、入浴時に会話を控えるのが黙浴である。

 マスクを外しがちな場所での会話がクラスターにつながったとみられたためという。コミュニケーションが取りづらくなるのは残念でも、飛沫(ひまつ)感染のリスクを考えれば我慢するしかない。

 インターネット上では、トレーニングをする時の黙トレ、交通機関を利用する際の黙乗など新顔の黙活が続々と登場する。発信者からはコロナ下にあっても落ち込まず、新たな生活様式と割り切って前を向く姿がうかがえて頼もしい。

 昨年から続く感染「第3波」で休業や時短営業を余儀なくされ、多くの飲食店や宿泊業者が苦境に立たされている。人々に沈黙を強いるコロナが、黙って去ってくれるのを願うばかりだ。