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 「一つ褒められ、二つ憎まれ、三つ惚(ほ)れられ、四つ風邪をひく」。くしゃみにまつわることわざだ。地域で多少の違いはあるが、風邪への用心を促す点は共通している。

 毎年今の時季になると、新しい言葉を加えてほしいとぼやきたくなる。日本では3人に1人がかかっているといわれる「花粉症」である。五つどころではないくしゃみに始まり、目や鼻の症状も昼夜を問わない。

 コロナ禍の今年は特に恨めしい。目がかゆくなったり鼻水が出たりすれば、無意識に顔を触ってしまいがちだ。手についたウイルスから接触感染のリスクが高まることを、花粉症の人は自覚しておきたい。

 マスク越しでも飛沫(ひまつ)を散らす可能性はゼロではないから、周囲の目が冷たく感じられて仕方ない。製薬会社が実施したアンケートでも「他人のくしゃみが気になる度合いが増えた」と答えた人は8割以上になる。

 周りの視線に悩む人にとって、頼りになりそうなグッズがある。霧島市の障害者就労支援事業所「eワーカーズ」が、昨シーズンから作る缶バッジもその一つだ。ほのぼのとしたイラストに「花粉症です」の言葉が添えられ、周囲に知らせてくれる。

 今年も早速注文が届いているそうだ。スタッフらの「肩身の狭い思いが少しでも和らげば」との気遣いが何よりもうれしい。くしゃみ一つでぎすぎすした空気を、和らげてくれるのではないか。