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 ランドセルや文房具が並んだショッピングセンターの学用品売り場で、今年もあの曲がかかっていた。「友だち百人できるかな」の歌詞が耳に残る「一ねんせいになったら」である。

 富士山の上でおにぎりを食べたい、日本中を駆け回りたい-。学校生活の第一歩を前にした無邪気な高揚感がまぶしい。7年前のきょう、104歳で亡くなった詩人まど・みちおさんの代表作の一つだ。

 今の時季、新入学を控えたわが子の成長に目を細めつつ、集団生活になじめるか親は気をもむ。そんな時、「おはながながいのね」の歌詞が広く知られる、まどさんの「ぞうさん」を思い出してはどうだろう。

 かわいい詩だが、姿形をからかわれているようにも取れる。だが、子象は意に介さない。「そうよ かあさんも ながいのよ」と、まるで誇っているかのようだ。さらに「あのね かあさんが すきなのよ」と朗らかに応じる。

 まどさんは子象が「象として生かされていることを素晴らしいと思っているから」そんな受け答えができたのだと説明している。他者と違う自分を肯定できる子象の気持ちを親子で想像しながら口ずさんでみてはいかがか。

 「一ねんせいになったら」は鹿児島県内の学校でも入学式で歌われることが多く、そろそろ練習が始まっているかもしれない。明るく元気な歌声は空高く響いて、まどさんにも届いているだろう。