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 3度目の無重力生活を送る野口聡一さんが、先月半ばから、国際宇宙ステーションでバジルを育てている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)による実験の一環だ。

 芽が出た。双葉の間に本葉がのぞいた。小さな透明容器の中の成長を、本人のツイッターでたどることができる。太い注射器を差した容器の底から水やりをする様子は宇宙ならではである。

 そのツイッターの企画で先日、日本の小中高校生と交信した。ベテラン飛行士は「みんなも受験勉強などで大変だと思うけど、一日一日をしっかり過ごして」とエールを送った。

 あす、あさっては鹿児島県の公立高校入試である。全日制、定時制の計70校への出願者は9098人。昨春の全国一斉休校に始まったこの1年、受験勉強と新型コロナ禍という二重の不安や焦りに、心が折れそうになったこともあるかもしれない。

 それでも諦めず、積み重ねてきた努力の日々を信じよう。感染対策として、定型の「健康状態確認票」を試験会場に持参することや、マスクの着用が求められている。落ち着いて臨んでほしい。

 春に一斉にもえ出る草花や野菜の芽をまとめて「ものの芽」という。<ものの芽のほぐるる先の光りをり 深見けん二>。見上げれば、上空約400キロの宇宙空間でバジルの細い芽がぐんぐん伸びている。15歳の志一つ一つも、光に向かってどうか芽吹きますように。