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 かつて国鉄やJRのダイヤ改正を伝える記事には、列車の増発や新型車両投入などの文字が躍った。利便性とスピードを追い求める時代を象徴していたのだろう。

 この春は、新型コロナウイルスの影響もあり、収縮傾向が際立つ改正となった。全国の在来線で終電時間が繰り上げられ、鹿児島中央駅でも22~25分早まった。改正に合わせ、一時代を担った特急車両も県内の路線から姿を消した。

 日豊線では鹿児島中央-宮崎の特急「きりしま」などの車両として活躍した「783系」である。「ハイパーサルーン」の愛称で親しまれ、ステンレス製のメタリックなボディーが目を引いた。

 九州新幹線が通っていなかった時代、「有明」や「つばめ」として九州内の特急輸送を引っ張った。1989年には、4時間以上かかっていた博多-西鹿児島を最速3時間38分で結び、ダイヤ改正の目玉となった。大きな窓から北薩の美しい海岸線や東シナ海に沈む夕日を眺めた思い出がある人もいよう。

 最終運行の記事が載った13日付本紙は、九州新幹線全線開業10年の節目に、駅長らが鹿児島中央駅で安全を祈願したというニュースを1面で大きく報じた。鉄路の主役交代を改めて印象づけた。

 3年前のダイヤ改正では、肥薩線が減便され、通学の高校生たちが不便を強いられた。コロナ禍によって生活の足がますます細りはしないか気掛かりだ。