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 内面から漂うかっこよさにほれぼれする人がいる。例えば、闘病から競技に復帰した競泳の池江璃花子選手。昨年公開した短髪の写真に心を奪われた人は多かろう。

 女優のオードリー・ヘプバーンもそんな魅力的な一人だ。鹿児島市の黎明館で、18日まで写真展が開かれている。亡くなって30年近くたつのに、会場に足を運ぶ人の年齢層の幅広さと人気ぶりに驚く。

 昨年の開催予定が延期され、タイトルも本人の名前そのものから「オードリー・スタイル」と変わった。今回はオードリーの飾らない生き方に焦点を当てた展示になっている。

 映画「ローマの休日」でスターの仲間入りをした。その後に出演した作品でも愛くるしい演技と、洗練された衣装で世界を魅了したのはご存じの通りだ。会場ではそうした場面を堪能できる。

 華のある女優の代名詞のような人だが、育ち盛りの10代のころ、第2次世界大戦中のナチス占領下にあったオランダでつらい体験をしている。戦禍におびえ、空腹で何度も気を失ったという。

 後半生、国連児童基金(ユニセフ)の活動に力を注いだのは当時の思いが原点という。移動の飛行機はエコノミークラスを利用した。飢餓に苦しむ子どもたちを救いたいという願いの表れでもある。ソマリアで出会った子どもらとの一枚が最後の壁を飾る。他のどの写真にも増して、気取らない表情にほれぼれする。