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 陽気に誘われ、鹿児島市の甲突川べりを散歩した。遅咲きの桜もさすがに若葉が目立つ。それでも、風に吹かれて花びらが舞い落ち川面に浮かぶ様子は、まさに花吹雪、花筏(いかだ)といった趣がある。

 左岸緑地帯で春の木市が開かれている。例年なら散策道から気軽に立ち寄るところだが、今年は入り口が2カ所に限られ、検温や記名、手指の消毒をしてから入らなければならない。混雑すれば、入場制限する場合もある。

 苗木や盆栽のほか飲食、小鳥など19店が軒を連ねている。150店を超えることもあったという往時を思うと寂しい気もする。ただ、花ものの多い春は眺めて回るだけでも楽しい。ツツジやバラが色鮮やかに咲き誇り、場内は華やぐ。

 値引き交渉など客と店主のやりとりもほほ笑ましい。巣ごもりで庭いじりの機会が増えたのか、庭木を求める人が目立つ。とりわけ、実のなる苗木が人気という。買う際に育て方などを丁寧に教えてもらえるのも良さに違いない。

 昨年は、木市振興会の60周年で盛大な催しも考えたが、コロナ対策で見送り、昨秋の木市は中止した。再開を求める声が相次ぎ、1年ぶりの開催を決めた。藤田繁利会長は「愛着が薄れてはならないと思った。歴史ある木市を楽しんでほしい」と話す。

 木市は来月5日まで。今週末にかけて、暖かく穏やかな天気が続きそうだ。花いっぱいの季節を満喫したい。