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 イギリス文学の名作「秘密の花園」で、主人公の少女は花園への鍵を偶然見つけ、恐る恐る扉を開ける。そこに広がっていたのは、しばらく人が足を踏み入れていない荒れた庭だった▼少女は庭の再生を通じて成長していく。今春始まる学校のデジタル改革も、未知の世界への扉を開ける試みと言えないか。その名称「GIGA(ギガ)」スクール構想は、グローバルで革新的なゲートウェー(扉)を全ての子どもに-という英語の頭文字からきている▼鍵として小中学生に1人1台渡されるのがタブレット端末だ。インターネットで主体的に情報を集めたり動画資料作りに役立てる。間違いやすい所をまとめた個別ドリルなども作れるらしい▼霧島市の小学校で、届いたばかりの端末を納めた充電保管庫を見せてもらった。各教室の隅に置かれ、中には“令和の文房具”がずらりと並ぶ。校長が「パワーポイントのアプリもあるからプレゼンに使えるね」と、隣の教員に話しかけていた▼使いこなせば教育の幅がぐんと広がるだろう。一方で高速ネット環境の整備や、慣れない教員がノウハウを学ぶ機会も必要だ。使い方のルールをしっかり教えることも欠かせない▼冷蔵庫、電気なければただの箱、と言う。子どもたちの成長にタブレット端末の特性をどう生かせばいいのか。大人の知恵と工夫が求められるデジタル教育元年である。