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 鹿児島県内のある金融機関の役員が新型コロナウイルス拡大がもたらした意外な一面を語っていた。厳しい取引先企業の経営に頭を痛めながらも「うちの職員たちは頼もしくなっている」というのだ。

 今回の感染症はいわば「天災」である。とはいえ、売り上げは落ち、先行きも見通せない。何とか突破口を開こうと、顧客の声に耳を傾け、対応策を考えることが職員を成長させるという。

 薩摩川内市の川内商工高校の生徒たちも負けていない。コロナ禍で客足が遠のいた地元の居酒屋に「弁当で挽回したい」と頼まれ、街頭販売用の電動自転車を作り上げた。

 取り組んだのは工業系と商業系の全4学科から集まった約20人の生徒だ。「地域のために頑張ろう」と先生に背中を押される形で学んだ知識を出し合った。メニューが書けるように商品ケースのふたの裏を黒板にするなど、アイデアをぎゅっと詰め込んだ。

 市役所前で今月始まった弁当の販売は水曜日の限定だが、出足は上々で依頼主の顔もほころぶ。「力を合わせれば、こんなに喜ばれるんだ」と生徒たちが協力し合う大切さに気付く契機にもなった。

 支え合いは全国でも広がっているのだろう。愛知県東浦町が募集したコロナ川柳にこんな句があった。<マスク顔 地域活動 絆の和 野村忠弘>。気がめいる日はまだ続くが、誰かのために頑張る姿に救われる思いがする。