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 恋も2度目なら-。こう歌いだす中森明菜さんの「セカンド・ラブ」は自分の振る舞いをもどかしく思う女性のバラードだ。39年前のヒット曲を口ずさめる方も多かろう。「少しは上手に愛のメッセージ伝えたい」と続く。

 経験を重ねれば何事もうまくいくとは限らない。何度目だろうと恋がなかなか成就しないように。だが「三度目の正直」と信じたい。東京、大阪など4都府県にあす発令される新型コロナの緊急事態宣言である。

 1年前はウイルスの正体が分からず、学校まで休みにした。今年1月は飲食店の営業時間短縮に的を絞ったが、感染者数は下げ止まり、期間が2カ月半に延びた。ひと月余りで宣言下に逆戻りするのは都民の一人としていささかうんざりしている。

 とはいえ、変異株の感染力や大阪の医療体制逼迫(ひっぱく)を思えば、発令はやむを得ない。酒を提供する飲食店やデパートの休業など強い措置を短期集中で講じるのは、これまでの経験を生かした対応とみることもできよう。

 今回の宣言は大型連休中の旅行やレジャーを諦めてと言うに等しい。予定通り来月11日で解除するには、負担を強いられる住民や事業者が足並みをそろえることが欠かせない。

 菅義偉首相や小池百合子都知事は危機感を強調していた。痛みを分かち合う覚悟はできただろうか。すとんと胸に落ちるメッセージが伝わってこないのがもどかしい。