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 もうすぐシマトネリコは小さな白い花を咲かせる。光沢のある葉とともに風にそよぐ姿は涼しげだ。南方系で暖かい土地を好むため、鹿児島でも庭のシンボルツリーにしている家をよく見掛ける。

 先日、植物に興味のない子どもでも「庭に植えて」とせがみたくなる話題をテレビが取り上げていた。この木にカブトムシが集まり、昼間も活発に活動するという。埼玉県の小学6年、柴田亮君が研究結果を発表し、米国の生態学専門誌にも掲載された。

 樹液を求めて庭に飛来する様子を2年かけて調べた。数は深夜0時ごろピークになり、半分程度が昼間も活動を続けたという。山口大学の研究者の助言を受けながら、根気強く観察する姿が目に浮かぶ。

 昨夏飛来したのは162匹。カブトムシ好きにとっては夢のような光景だ。これまで夜の森や林に入り、クヌギやコナラを探して採集していただけに、昼間でも捕まえるチャンスがあると知ったのは驚きだった。

 今回の研究は樹種によって活動時間が変わることを示した。だが、その理由は分かっていない。樹液の成分の違いが関係している可能性が指摘されており、研究を続ける柴田君の報告を楽しみに待ちたい。

 世界には100万種を超える昆虫がいるとされる。いろんな昆虫と出合う季節を迎える。熱心に観察すれば、常識を覆す発見があるかもしれない。昆虫の世界も奥が深い。