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 ピンキーとキラーズと言えば、1970年前後にヒット曲を飛ばした5人組だ。50代以上ならすぐに「恋の季節」の歌い出しが浮かぶかもしれない。

 霧島市牧園に71年開館した霧島国際ホテルの社歌「霧島おじゃれ」のレコードを吹き込んでいたのには、驚いた。新婚旅行ブームの世に、豪華ホテルとして全国に売り出そうとした経営陣の意気込みが伝わる。

 開館当時の“看板娘”だった弓削眞智子さんに口ずさんでもらった。霧島においで、と呼び掛ける「霧島おじゃれ」の繰り返しに続き、「山がもえてる 生きている」「ミヤマキリシマくれた人」と当地の景色が織り込まれる。

 ホテルはいったん5月の閉館が決まったが、引き継ぐ会社が現れ、存続がかなった。職場結婚するまでフロント係を5年間務めた弓削さんも「本当に良かった」と胸をなで下ろす。

 新支配人が先日会見した。電話やメールで励ましの声が続々届くという。約100のホテルを展開する運営元にとっても、予想以上の手応えらしい。丸尾温泉街で半世紀にわたって築かれた「歴史と伝統は重たい」と口にした。老舗ブランドの大きさに改めて気付かされる。

 きょうから宿泊客を受け入れる。感染症対策もあって、客室稼働率は当面3割程度に抑える。立ち寄り湯の再開は様子見だ。それでも「湯けむりとにごり湯」の宿の再出発を喜ぼう。霧島におじゃれ。