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 「ガール」は英語で女の子のこと。では、「西郷(せご)どん」ならぬ「ガールどん」は誰を指すのか、ご存じだろうか。答えは「かっぱ」。旧串木野市の別府地区ではこう呼ぶ。

 日ごろ、「がらっぱ」という別称はよく耳にするが、串木野にはいろいろな呼び方があることを、郷土史家の所崎平さんの論文で知った。「ガルどん」や「ガーゴロどん」という呼称もある。川を挟んで向かい合う集落で名前が変わる所もあって面白い。

 おとといは市内を流れる五反田川左岸の市口地区で「ガルどんのダゴ流し」があった。子どもたちが川べりで「ガルどん、団子をやるから川に引きこまないでください」と唱え、わらで包んだ団子を投げ入れた。

 串木野のほかの集落ではほとんど廃れてしまったが、同じような行事をしていたという。時期も旧暦5月16日に当たる今ごろが多かった。かっぱが山から降りて来ると伝わる日である。

 間もなく終盤を迎える梅雨が明けると、本格的な夏がやって来て、水辺で遊ぶ機会が増える。特に、海や川に近い地域では水難事故に度々見舞われた悲しい経験がある。「もう連れて行かないで」という住民の思いと、子どもに注意を促す行事だろう。

 異常気象のせいで、ゲリラ豪雨による悲報が届く回数も増えた。警報に耳を傾けつつ、ガールどんにもお願いせねばと思う。「どうか水の事故を防いでください」と。