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 鹿児島市のJR鹿児島中央駅西口に、駅の歴史や駅名が西鹿児島から変わった経緯などを記す銘板がある。九州新幹線の部分開業に合わせた駅名改称が当時関心を集めたことを伝えている。

 それから17年、中央の名を体現するかのように駅前は変わり続けている。西駅の頃とは違い、ビル群に囲まれた。先日オープンした高さ100メートルの商業施設は、駅と渡り廊下で結ばれ、大勢の人が行き交う。

 鹿児島の鉄道の拠点は元々鹿児島駅だった。かつては本駅と呼ばれ、今も日豊線、鹿児島線の起点だ。ただ実際の列車の発着は中央駅が主となり、にぎわいを奪われて随分たつ。

 だが負けじとばかり、こちらも最近新たな魅力を加えているようだ。駅舎の外観は大正時代を思わせるレトロな造りとなった。2階改札へつながる47段の階段を上れば、吹き抜けのアーチ型天井が迎えてくれる。階段がきつい人なら、エレベーターでも上がれるので安心だろう。

 駅前にある市電の電停も生まれ変わった。ホームの幅が広がり、行き先を示す電光掲示板が見やすい。目の前には桜島と芝生の公園「かんまちあ」が広がり、開放感を与えている。そこで遊ぶ子どもたちの歓声が響き渡るほどの静けさもまた心地よい。

 ビルが立ち並ぶ中央駅の派手さはないが、温かみのある落ち着いた雰囲気がある。駅前の街づくりにはそんなたたずまいもよく似合う。