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 この時季の風に揺れるササ飾りは風情がある。「けいきやさんになりたい」など子どもの願いが込められた短冊を見つけると、心が自然と和む。

 「一番の選手になりたい」。米大リーグ挑戦を表明した4年前、こんな真っすぐな目標を掲げていたのがエンゼルスの大谷翔平選手である。投手との「二刀流」を貫き通し、今季は打撃面の活躍が特に目覚ましく、本塁打王争いのトップを走る。

 快進撃は続き、来週に迫るオールスター戦の指名打者、先発投手両部門で選ばれた。史上初の投打同時選出に加え、本塁打競争にも出場する。コロナ下の暗い気分を吹き飛ばす健闘が楽しみだ。

 1年目こそ新人王を獲得したが、けがに悩まされ、成績が振るわないシーズンが続いた。しかし、自信をなくしたり気持ちが変化したりはせず、「毎日良くなるように練習するだけ」だったという。揺るがない向上心が頼もしい。

 先日、松井秀喜さんが持つ日本人選手のシーズン最多本塁打記録に並ぶ31号を放った。客席で跳びはねて喜ぶ現地の少女の姿が会員制交流サイト(SNS)などで発信され、話題になった。世代や国を超えて広がるファンの輪が、夢の実現へ向かう確かな歩みを感じさせる。

 その一投一打に、どれだけ多くの人が元気をもらっていることか。きょうは七夕。大人も大谷パワーにあやかって、自分の夢を思い返してみるのもいい。