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 車道側の上級生が隣の1年生を見守りながらゆっくり歩く。下級生を思いやるまなざしに心が和む。国道沿いの通学路の安全確保に、阿久根市の西目小学校が取り組む集団登下校の光景である。

 千葉県八街(やちまた)市の市道で下校中の小学生の列に、飲酒運転とみられる大型トラックが突っ込み5人が死傷した事故から10日たつ。子どもたちの恐怖はいかばかりだったろうか。突然襲った悲劇を思うと、今でもやりきれない。

 現場は歩道のない直線道路だった。車の通行が多く、PTAは何度もガードレールの設置を市などに要望していた。危険な場所として知られており、子どもたちはいつも1列になって通学していたという。対応の遅れが悔やまれる。

 事故を受け、各地で通学路の安全を点検する動きが広がっている。鹿児島県内でも市町村教育委員会が学校側から改善するよう要望を受けた箇所が1週間余りで800カ所以上に上った。危険は至る所に潜んでいると言えるだろう。

 歩道整備やガードレールの設置など安全な道路づくりが急がれる。とはいえ、こうした対策は用地買収などで時間と費用がかかる。警察による通行規制や住民の見守り活動など地域と連携して進めたい。

 自動車の運転には、子どもやお年寄りら交通弱者への配慮が義務付けられている。通学路の笑顔を守るため、運転者のモラルが問われるのは言うまでもない。