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 航空機の丸い鼻は「レドーム」と呼ばれる。英語のレーダーとドームを合わせた造語だという。名前の通り、中には気象レーダーが取り付けてある。

 先日、鹿児島空港に隣接する日本エアコミューター(JAC)の格納庫に入った。点検中の機体のレドームが外され、むきだしのアンテナが見えた。「これで前方の雲の状況を確認するんです」と説明してもらった。

 安全を第一とする航空業界の未来には、どんな空模様が広がっているだろう。人口減少で地域航空の需要が先細ることは、数年前から言われてきた。“嵐”を見越した取り組みのさなか、新型コロナウイルスの感染拡大で予想より早く、厚い雲が垂れ込めてきた。

 空の足を守ろうと、JACをはじめ九州が拠点の3社と、全日本空輸、日本航空の2社が共同運航を計画している。予約発券システムをつなぎ、航空券を協力して販売し、客の利便性を高める試みである。

 JACは1983年、当時の東亜国内航空と奄美群島の市町村が共同出資し、奄美空港と4離島を結ぶ路線でスタートした。小型機を使う近距離輸送の先駆けと注目された。

 今月1日はJACの創立記念日だった。「私たちは奄美で生まれ育ち、このエリアを一番多く飛んでいる」。幹部の口からもれる言葉に自負がにじんだ。大手もまきこんだ“編隊飛行”の先の雲間に明るい日が差すことを期待しよう。