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 オリンピックのメダルの色が1位から順に金、銀、銅になっているのはなぜか。吉村泰治著「トコトンやさしい金属材料の本」に推論が載っている。

 金属の中で色が付いているのは金と銅だけで、特に金の輝きは富の象徴とされてきた。銀は光の反射率が高く、金に劣らず明るい。また、地殻に含まれる濃度はいずれも鉄などと比べて圧倒的に少なく、金、銀、銅の順で希少価値があるという。筋の通った解釈と言えよう。

 こうしたランク付けはスポーツに限らない。試験や営業の成績、幸福度、商品の売れ筋、人気の飲食店や観光スポット、温泉宿…。思いつくだけでも競争心や購買欲を駆り立てる序列がちまたにあふれる。

 政府は先日、新型コロナワクチンの供給量に対し、実際に接種した人の割合を表す都道府県別の接種率を公表した。接種加速を目指す政府が、最下位の大阪などをあおっているように映る。

 だが、ワクチン供給が追い付かず接種予約を停止した自治体が相次ぐ。鹿児島県内でも準備が滞っている自治体や事業所は多い。会場や医療従事者の確保をせかされながら「はしごを外された」との不満が出るのはもっともだろう。

 今はスピードより確実に接種できる見通しを示すことが安心感につながる。政府が言うように自治体に余分な在庫があるのか。実態を調べるのは金の鉱脈を掘り当てるより、たやすいはずだ。