( 7/26 付 )

 東京の炎暑にうんざりしている。アスファルトの照り返しに、無数の室外機が吐き出す熱風…。熱中症が怖いこの時季、頼りにしているのが日本一の生産量を誇る鹿児島県産オクラである。

 近所のスーパーにはいつも指宿産が並んでいる。天候に恵まれて生育が順調なおかげだろう。手早く刻んで納豆や生卵とかき込めば、ネバネバに含まれる滋養が体中に行き渡る気がする。

 日本古来の野菜ではないと昨夏の本紙「ミナミさんちのクイズ」で知った。アフリカ原産で「okra」は英語。海外でも食卓に上っている。

 暑さと闘う東京五輪の選手もオクラを食べるはずだ。選手村の食堂で提供されるそうめんと冷やしおでんに使われている。どちらも公募で選ばれたメニューで、さっぱりしておいしい和食をアピールしながら、夏バテ防止にも役立つ格好の食材なのだろう。

 ここぞ県産PRの好機と期待したが、産地が公表されることはないという。流通段階を含めて食材の安全を確保する一方、いわゆる便乗商法が禁じられているからだ。オクラに限らず、調達基準をクリアした県産の野菜や肉が選手の胃袋を満たしていると信じよう。

 オクラのメニューは五輪ホームページの「みんなのフードプロジェクト」で紹介されている。選手と同じ料理を味わってみれば無観客の大会にも親しみが湧くかもしれない。その際はもちろん県産を。