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 鹿児島市の鹿児島銀行本店にある商業施設「よかど鹿児島」では現金は使えない。電子マネーでの支払いとなる。知らずに訪れた人は戸惑うかもしれない。

 うな丼やカンパチ丼、そば、ラーメンなど店ごとにスマートフォンやカードでピピッと支払う仕組みだ。会計がスムーズに進むのはいい。店側にとっても、現金管理の手間が省けるはずである。

 そんな電子マネーが広がる時代に、現金書留の利用者が急増しているという。新型コロナウイルスの感染拡大で、冠婚葬祭の中止や延期が相次いでおり、のし袋を入れて送るのに便利なのだろう。

 日本郵便によると、近年利用は減少傾向だったが、昨年度は前年度比4割増の2000万枚を超えた。年の初めにはお年玉の郵送にも活用されたらしい。日常での支払いは電子マネーが重宝されているとはいえ、祝儀や香典も、というわけにはいかない。

 来月には専用の封筒が大幅に刷新される。70年ぶりに見直し、二重構造を一重にして封印する手間を減らす。中が透けないように工夫し、宛名を書く欄も大きくした。紙の使用量を少なくしてコスト削減につなげるが、価格は21円に据え置く。

 期せずしてコロナ禍が招いた人気ぶりとも言えようが、送る相手の顔を思い浮かべながら宛名を書き、封をしたことだろう。キャッシュレス社会が進展する中、たとえ面倒でも大切にしたい時間である。