( 8/5 付 )

 「しょ、ちゅ、う~う~お見舞い、申し上げ~ます~」とキャンディーズが軽快に歌ったのは40年以上前。厳しい暑さが続くこの時季、今も変わらず元気づけられるのは名曲の証しに違いない。

 古くから続く時候のあいさつである。お盆の里帰りで祖先の霊に供物をささげる風習が世話になった人への贈り物になり、やがて手紙で済ますようになる。1950年に暑中見舞い用はがきが発売され、現在の形が定着した。

 梅雨明け後の夏本番を迎える頃から、あいさつに相手の安否を気遣う言葉を添えて送る。ヒマワリや風鈴など季節の風物の絵で彩った、凝った絵はがきを作った経験のある人もいるかもしれない。

 ただ、近年は電子メールなどに押され気味だった。86年に販売を始めたくじ付きはがき「かもめ~る」は、新型コロナウイルス禍で経済活動が落ち込んだ昨年、発行枚数がピーク時の3億4000枚の約4割にとどまった。日本郵便は廃止を決め今夏から発行を取りやめた。

 とはいえ、コロナ下で顔を合わせる機会が減って距離の広がった人も多かろう。こんな時こそ、便りのやりとりで心のつながりを保つのもいい。手書きなら、なおさら思いが伝わるだろう。

 くじ付きはがきはなくても、70年以上も続く夏の習慣である。容易に消えはすまい。7日は立秋。暦の上では季節は移り、月末の処暑の候まで「残暑見舞い」となる。