( 8/7 付 )

 離れた家族と再会する喜びは、日常の風景を一変させるくらい格別なものなのかもしれない。<単調な日に彩りの子の帰省 元山ちゑ子>。南日柳壇にあった。

 航空各社が先月末に発表したお盆期間中の国内線予約状況は、前年比で1.4倍に増えた。多くの人がこの夏こそ、古里の両親らに会えると心待ちにしていたのだろう。

 ところが無情にも感染力の強いインド由来のデルタ株が、全国で猛威を振るっている。鹿児島県外から実家へ帰るかどうか、迷っている家族は少なくないのではないか。

 鹿児島県の塩田康一知事は県境を越える不要不急の往来を原則中止するように求める。人の流れを抑えるのが大切だと分かってはいる。それでも自粛要請はいつも一律で、ワクチン接種状況や個々の感染防止意識への考慮が感じられず、割り切れなさが残る。

 実家の高齢の親と、県外に住む子供の双方が接種を終えた家族もいるはずだ。帰郷しても家族以外との接触や外食を控え、実家の玄関先で一目顔を見て別れるケースもあるに違いない。

 往復の移動時を含む感染リスクと帰省の意義のバランスをどう考えるべきか。ワクチンの効果は100パーセントではない。一方でコロナ禍が長引き、ストレスや孤独感に苦しむ悪影響も見逃せない。ある専門家は「全ての人に当てはまる正解はない」と指摘する。家族で相談し後悔のないお盆を。