( 8/21 付 )

 宝石をちりばめたような夜空を見ると、小学6年の夏休みを思い出す。星の光跡の撮影に夢中になった。カメラを空に向けて固定して、一定時間シャッターを開放すれば星の動きを光の線で写すことができる。

 初挑戦で北の空を狙い、北極星を中心に同心円を描く満天の星がくっきりと撮れた。家族に褒められ気をよくして、夜な夜なカメラと三脚を担いで見晴らしのいい場所に出掛けたものだ。

 鹿児島県内は記録的な大雨で、星空どころではない日が続く。まだ警戒は怠れないが、来週に向けて天候は回復し、8月のにぎやかな夜空が戻ってきそうだ。頭上に夏の大三角、天の川。南にはさそり座が横たわる。

 今夜は南東の空で木星と土星の間に月が並ぶ。太陽系の惑星で最大の木星は昨夜、1年で最も地球に接近する「衝」だったから、雲さえ出なければしばらくは鮮明に見えるはずだ。

 今はスマホを空にかざせば画面に惑星や星座の名前が表示される便利なアプリもある。子どもが少し夜更かしできる夏休み、星の動きの規則性を解き明かす科学者の気分を味わってみるのもいい。

 今思えば、あの夏休みが記憶に刻まれたのは、撮影に付き合ってくれた親と過ごす小一時間がうれしかったからだろう。親子で星空を見上げて、たわいない会話を交わす。月日がたつほど輝きを増す宝石があるのならば、そんなひとときかもしれない。