( 8/31 付 )

 先日の日曜日、鹿児島市の磯海岸で日傘にマスクを着けて散歩したり、水遊びをしたりする家族連れを見かけた。コロナ禍がなければ、大勢の海水浴客でにぎわっていたに違いない。

 昨年に続き海水浴場が開設されない夏休みだった。多くの人が感染に注意して過ごしたはずだが、県内はお盆期間を過ぎると陽性者が急増した。終盤に家族で楽しむ計画を立てていながらあきらめざるを得なかったケースも少なくなかったのではないか。

 感染拡大を受けて平川動物公園や鹿児島市立美術館など人気スポットは軒並み休止した。近所の中学校では、部活動に打ち込む生徒たちを見なくなった。県立図書館の学習室も閉まり、宿題の追い込みをかける風物詩は失われた。

 それでも、印象深い日々ではあっただろう。賛否が渦巻く中、東京五輪が行われ、パラリンピックも開催中だ。日本勢のメダル獲得も相次ぐ。異例の無観客の中でも限界に挑む選手たちの姿から学ぶことは多い。

 全国的に豪雨災害にも見舞われた。感染を経験し、自宅待機や病院での療養を余儀なくされた子どもたちもいるだろう。この夏をどう感じたのか。絵日記や作文の内容が気になる。

 あすから多くの学校で新学期が始まる。分散登校や一斉休校、感染への不安と、悩みやストレスは尽きないはずだ。子どもたちが発する小さなSOSを見逃さないよう向き合いたい。