( 9/2 付 )

 地味な扱いだったが、つい目を引き寄せられた。先日の本紙にあった「サマージャンボ 同一売り場から1等前後賞2本」の記事である。1等5億円と前後賞の各1億円を合わせて最大7億円になる。

 一つが連番、もう一つはバラで購入されており、計4人の億万長者が誕生したらしい。鹿児島市の天文館チャンスセンターで出たから、もしかしたら自分にも奇跡が起きるのでは、と胸をときめかすのは浅はか過ぎようか。

 日経ビジネスの副編集長だった鈴木信行さんは著書「宝くじで1億円当たった人の末路」で、よほど注意しないと人生の目的を失うなど「ろくなことはない」と警告する。確率を考えると「ものすごく割に合わない賭け事」だとも。

 そもそも、日本の富くじは江戸幕府が寺社の修繕費用を賄うために販売を認めたのが始まりとされる。ただ、あまりの熱狂ぶりに後に禁令が出され一度は途絶える。100年余りたった太平洋戦争末期に戦費調達のための「勝札(かちふだ)」として復活し、戦後の宝くじにつながった。

 現在も売上金額の約40%は発売元の地方自治体に配分され、公共事業や災害復興などに使われる。たとえ外れても、世の中のために生かされると考えれば、そう気落ちすることもあるまい。

 9月2日は語呂合わせで「宝くじの日」。外れ券を対象にした賞品抽選などもある。腐らずに夢の続きを見るとしようか。