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 高齢者や身体障害者の優先席「シルバーシート」が東京の国電(現JR)中央線に初めて登場したのは1973年だった。その後、私鉄各社にも順次拡大した。

 こうした動きは公共施設や店舗などの駐車場にも広がっていく。外から見やすい車内のルームミラーに、自治体が発行した身障者用駐車場利用証を掲示した車に限って専用スペースを使えるようにした。パーキングパーミット制度である。佐賀県が初めて取り組み、鹿児島県も追随して12年を迎える。

 先週の土曜日、鹿児島市の商業施設では対象でない四つ葉の高齢者運転標識を付けた車や利用証の表示がない車を見かけた。制度を案内するポスターが貼られ、啓発用の放送も繰り返し流れていただけにもどかしかった。

 利用証は3色あり、県内で5万枚以上発行されている。赤は車いすを常時利用する運転者、緑は障害者や難病者、オレンジは妊産婦やけが人らが使う。1914の施設が賛同し協力する。

 利用証を持っていても外見からは障害者と見分けがつかない心臓や肝臓などの機能障害の人もいる。ルールを守らなければ、本当に必要としている人が困る。そんな思いやりが制度の浸透につながるだろう。

 東京パラリンピックの選手たちは口々に周りの人々への感謝の言葉を語っていた。共生社会の実現の行方を左右する今後の主役は私たち一人一人なのかもしれない。