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 奄美市の大島高校の体育祭は、出身中学校や居住地によって六つに分かれる地区対抗で競われる。大会を盛り上げる狙いで1950(昭和25)年に始まり、全国的にも珍しいという。

 目玉の一つは応援合戦だ。新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となった今年も、各地区の有志が気迫のこもった演舞を披露した。太鼓に合わせた機敏な扇子さばきは圧巻、声を張り上げ、一糸乱れぬ動きは若い力がみなぎっていた。

 演舞は先輩から後輩に引き継がれてきた。例年、夜間や早朝も練習し「部活より厳しい」とも言われるが、コロナ対策で様変わりした。団員は一緒に長時間取り組むことができない代わりに、先輩たちの動画を参考にしながら自宅で練習するなどしてカバーした。

 最優秀賞に選ばれた金久地区団長の3年向直太郎さんは「限られた練習時間の中で一体感が生まれ、全力で打ち込めた」と話す。無観客のため地区住民の声援はなかったが、生徒たちは確かな思い出として胸に刻んだことだろう。

 コロナ下で2度目の体育祭シーズンを迎え、まん延防止等重点措置が延長された鹿児島市では中止を決めた高校がある。本紙で紹介された、中止に気落ちする2、3年生の言葉を読み、切なくなった。

 さまざまな行事が中止や変更を迫られている。二度と戻らない高校時代、生徒たちの心の糧となる舞台を用意してあげたい。