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 何が面白くて駝鳥(だちょう)を飼うのだ-。詩人高村光太郎の「ぼろぼろな駝鳥」は、印象的な問い掛けで始まる。小学校の教科書で読んだ覚えがある人もいるかもしれない。

 そのダチョウは動物園の「四坪半のぬかるみ」で飼育されている。「遠くばかり見てゐるぢゃないか」「小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢゃないか」。畳み掛けるように、野生動物の自由を奪う不条理を問う。

 鹿児島市の平川動物公園では、4羽のダチョウが入り口正面の広々とした「アフリカの草原ゾーン」にキリンやシマウマたちと暮らしている。自然の広大な大地とは比べようもないが、閉じ込められた感じはしないし、羽もぼろぼろではない。

 平川をはじめ国内の意欲的な動物園は飼育環境の向上に努めてきた。光太郎が詩を作った60年以上前と状況が違うのは当然だろう。ただ10年後、今と変わらず世界中の多種多様な動物が見られるとは限らない。

 ワシントン条約などで規制が強化され、希少な動物の国際取引が年々難しくなっているからだ。同じ問題に悩む国内の施設と連携し、個体の交換や繁殖に力を合わせてはいるが、動物が高齢化すればこれも限界がある。

 平川では今いるインドゾウやシロサイが死んだら、新たに入手できそうにない。あすまで動物愛護週間。全国の施設が直面する問題は、動物園の在り方を問うているのかもしれない。