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 「あなたの年齢を当ててみせましょう」。3年近く前、鹿児島市内の会社の受付で声を掛けられた。指示に従い手を握って目を合わせる。答えは実際より1回り若かった。

 まんざらでもない気にさせてくれたのはソフトバンクの人型ロボット「ペッパー」。人工知能(AI)で、相手の表情や声の調子から感情を学ぶという。言外の威圧感が忖度(そんたく)させたか。不正解を伝えると、うなだれて「修業して出直します」と言うから笑ってしまった。

 2015年に「世界初の感情を持ったロボット」として発売された。そんな彼らがギネスブックに載る。プロ野球福岡ソフトバンクホークスの本拠地スタンドに陣取る100体が「最大のロボット応援団」と認定された。

 昨季、新型コロナウイルス禍で無観客となった球場を盛り上げようと5体で始まった。今季は開幕から左翼の一角を大集団が占める。応援歌に合わせ、手を上げ首を振る一糸乱れぬダンスは圧巻だ。

 感染の波が続く中、ロボットの存在感は増す。清掃や配膳・運搬を担う機種が相次いで登場し、鹿児島の高齢者施設では入所者の部屋に出向いて離れた家族との面会を仲介する。こちらの応援団も頼もしい。

 各地に出されている緊急事態宣言は解除する方向だが、再拡大の不安は消えず、先行きは見通せない。球場でエールを送り続けるペッパー君に乗り切る知恵を聞いてみたい。