( 10/8 付 )

 <木には木の人には人の秋の暮 原田喬>。歳時記で見つけたこの句から「休」の字が浮かんだ。漢和辞典には、人が木に寄りかかるさまから構成される、とある。

 日一日と日暮れが早まる。句の風景の中にいる人は、誰にも告げられないことを胸に抱えているかもしれず、仕事を終えたところかもしれない。木肌に触れて癒やされているのか、と想像してみる。

 身の回りのものを木に代え、暮らしに木を取り入れ、建築物を木造化しようという行動を、国が「ウッド・チェンジ」と呼び始めた。これは心身への効果というより、木材利用拡大の機運向上を狙う。

 今月施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」。この長ったらしい名の法の趣旨を広げる合言葉に挙げられている。頭に置かれた「脱炭素社会」に目が止まる。

 森林は二酸化炭素を吸収する。計画的で適切な国産材の伐採と利用、そして植林は、脱炭素化へ有効な手段に違いない。率先して取り組んでいるかどうかが、企業の環境への貢献度を測る尺度になっていけばいい。

 漢字の十と八を組み合わせると、「木」の字になる。きょうはもともと「木の日」だった。今年から「木材利用促進の日」にも定められた。木を使って持続可能な「未来」をつくりたい。この二文字の中に立つ木が、美しく輝いているように。