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 古民家を改装したレストランやカフェが鹿児島県内で増えている。歴史を感じさせる太い梁(はり)が通っていたり、石塀に囲まれた庭があったりと、趣深い。おいしい食事と落ち着ける空間が人気の秘密だろう。

 うまく再生される家はいいが全てがそうではない。空き家の増加は各地で問題になっており県の空き家率は全国平均を上回る。中でも賃貸や売買など利用目的のない空き家は2018年に12.0%で全国2位と深刻だ。

 活用策を募り、共有することで解消につなげようと、県は一昨年に続いて「かごしま空き家活用コンテスト」を実施した。アイデア、事例両部門にユニークな視点の計24作品の応募があった。

 活用への提案を競うアイデア部門には高校生グループも複数参加した。その一つは市長にインタビューして課題を把握、改装した空き家で地元の食や自然を体験する仕掛けだ。地域の問題解決に若者が積極的に取り組む姿勢は頼もしい。

 アイデア部門最優秀賞は、集落内の複数の空き家を高齢者が居住しやすい住まいに改装し、支援する介護拠点と連携させる案だった。住み慣れた土地で暮らし続ける発想は、これからの街づくりに生かせそうだ。

 コンテストの副題は「空き家を地域の宝に!」。それぞれに事情があり、活用は一筋縄ではいかない。それでも一つずつでもアイデアが現実になっていけば、きっと地域は輝く。