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 防具面の下にマスクを着ける。接近戦のつばぜり合いは避ける。新型コロナウイルス下で剣道のルールも大きく変化した。

 今夏の全国中学校剣道大会で、霧島市の日当山中学校剣道部が団体3位に入った。マスクを着けた練習を始めた当初は、すぐ息が上がったという。「きつかったが、だんだん慣れた」。みんなで励まし合って乗り越え、県勢21年ぶりの上位入賞を果たした。

 そんな少年少女剣士たちが憧れの視線を注いでいるだろう。剣道の全日本選手権で初優勝した姶良市出身の星子啓太さんだ。西姶良小、重富中から熊本・九州学院高、筑波大と進み学生選手権を制覇するなど実績を積んできた。だが強豪の警察勢らが参戦する「剣道日本一」の重みは別格だ。

 鹿児島県剣道連盟の俣木正喜会長によると、星子さんが得意とする一つが、つばぜり合いからの引き技だった。「コロナの影響でできなくなったからどうするだろうかと思っていたが、攻撃良し、防御良しで相手を寄せ付けなかった」と振り返る。

 決勝の戦いは見事だった。先取の面は一瞬の隙をつき、2本目の面は攻めて攻めて打ち込んだ。胸のすくような鮮やかさだった。大会3連覇が次の目標だという。

 「これでスタートラインに立てた。この経験を生かし、一から精進していく」と決意を述べている。まだまだ高みに上ろうとしている23歳の「スター」である。