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 地球温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった-。衆院選のさなか、自民党の麻生太郎副総裁が道内でこんな街頭演説をした。品種改良の努力を度外視した物言いで、地元のひんしゅくを買ったのは当然だろう。

 長く財務相を務め、今も与党中枢にいる人である。コメを褒めたつもりでも、温暖化を肯定するような放言は見過ごせない。「いつものこと」と笑っていては、国際社会に対策の本気度を疑われる。

 英国で国連気候変動枠組み条約の第26回締約国会議(COP26)が開かれている。パリ協定で定めた目標を達成するための仕組みを話し合う。序盤の首脳会合では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるには「この10年が勝負」との認識が広がったという。

 しかし、最大排出国の中国とロシアは姿を見せず、発展途上国の間には温室効果ガスを散々排出してきた先進国が強力な対策を迫ってくるという不満も渦巻く。この対立を解く鍵はないものか。

 岸田文雄首相は、0泊2日の強行軍で出席した。外交デビューの土産は、環境団体から贈られた「化石賞」。二酸化炭素排出の多い石炭火力発電の廃止に踏み切らず、対策に消極的と判定されたのは残念だ。

 首相は著書で環境問題のリーダー国になる決意を示している。先進国と途上国の橋渡し役を務めてこそ汚名をそそげるだろう。勝負の10年はもう始まっている。