( 12/1 付 )

 お気付きだろうか。本紙の紙面がきょう新しくなった。1ページ15段だったのを12段に改め、1行は10字から12字に増えた。小欄の文字もほんの少しだけ大きくなった。

 15段編集の始まりは70年前の1951(昭和26)年元日にさかのぼる。敗戦から5年余、日本は連合国軍の占領下にあった。1面トップはマッカーサー最高司令官の年頭の辞で、「今年は講和の年だ」と強調している。

 「第三次大戦は避けられぬか」という記事も目を引く。米通信社の特派員はインタビューで「戦いはもう始まっている」と答えている。その年の9月に講和条約が締結され、日本は主権を回復するが、混沌(こんとん)とした世界情勢がうかがえる。

 朝鮮戦争の特需もあり、生活物資がようやく出回るようになる。当時の南日本新聞は月の約半分は2ページの発行だった。社告は「最近漸(ようや)く用紙事情が好轉(こうてん)」し、4ページを週5回に増やすと伝える。NHK紅白歌合戦もこの年にスタートした。

 「国民の生活水準が戦前の水準に回復するのは55年前後とみるべきだろう」(中村隆英著「昭和史」)。経済の復興が敗戦から約10年もの年月を要したことを考えると、戦争の爪痕の深さが分かる。

 長く厳しい暮らしは今から80年前、12月8日の日米開戦に端を発するだろう。「米戦艦二隻撃沈」「必勝の信念持て」。新しい紙面にそんな見出しが躍る時代に逆戻りさせてはなるまい。