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 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は、上白石萌音さん演じるヒロインが戦争で夫を亡くしながらも懸命に生きる姿が胸を打つ。幼い娘「るい」のあどけないしぐさもいとおしい。

 娘の名は夫が戦地に赴く前に決めていた。ジャズ喫茶で聴いたルイ・アームストロングの曲の思い出から「どこの国の音楽でも自由に聴ける。そんな世界を生きてほしい」と父としての願いを込めた。

 ことし生まれた女の子の名前ランキングで「紬」が初めてトップになった。読み方は「つむぎ」にほぼ限定され、あまり使い勝手はよくなさそうだが、昨年の8位から急上昇である。

 大島紬など絹織物からの連想だろうか。糸をより合わせ、染め、大変な手間と時間をかけて織り上げる。そんな工程から「根気強さ」「つながり」を大切にしてほしいと考えているのかもしれない。

 男の子は、「蓮」が2年ぶりに首位だった。仏様にまつわる清らかなイメージと、泥の中に根を張るハスにわが子の健康を祈る思いがうかがえる。東日本大震災の年も蓮が1位になっており、困難に打ち勝つ強さを求める思いは、新型コロナ下の今にも通じるようだ。

 以前、誕生した赤ちゃんの名を載せている本紙「うぶ声」欄を「見ているだけで幸せになる」という読者の投稿があった。確かに思いのこもった名前ばかりである。一人一人眺め、幸多かれと祈る。