( 12/3 付 )

 自宅の庭木の枝葉が重くなった。山仕事をなりわいにするご近所さんにぼやくと、半日かけてさっぱり整えてくれた。代金はいらぬと帰ろうとするので、冷蔵倉庫から新米のもみ30キロを差し出した。

 経済史家ポランニーが定義した「人間の経済」には贈与、相互扶助、商品経済の3要素がある。庭木の手入れと米交換は2番目か。だがいまや日常生活のほとんどは金銭をやり取りする商品経済で成り立つ。

 そんな身に、このところの食品値上げのニュースは気になる。ハム、ちくわ、マヨネーズ、しょうゆに冷凍食品…。来春からの実施予告が多いが、パスタやパンは既に改定された。ガソリン価格や電気、ガスの料金もじわじわ上がり、家計にのしかかる。

 主な理由は原油高で、包装材料費や物流費がかさんでいる。加工食品に使われる小麦粉や食用油、魚のすり身などは輸入に頼っており、中国や欧米の需要増も影響しているようだ。

 世界を見れば、さらに厳しい。国連食糧農業機関(FAO)の算出で、10月の世界食料価格指数は10年ぶりの高水準になった。天候不順による不作もあって、穀物や植物油が上昇している。途上国では数億人が飢餓や栄養不足に直面するという。

 日本ではこれまでグローバルな商品経済の下、安く大量に入手する原材料で作る食べ物が出回ってきた。それが当然の時代は、終わりつつあるのだろうか。