( 6/21 付 )

 テニスは番狂わせが起きにくいそうだ。先の全仏オープンも優勝したのは男女シングルスとも第1シード選手だった。スポーツ統計学の第一人者である鳥越規央(のりお)さんは、実力が物を言うルールが要因と見る。

 ゲームがジュースになれば2ポイントを連取しなければならず、セットも2ゲーム差をつけないと決着しない。これらを確率の数式に当てはめ、実力の差がわずかでも試合の勝率に大差が生じることを自著で証明している。

 たとえ前評判が劣勢でも、勝利を信じてやまないのがファンの心理である。実際に大物食いが起きるからスポーツは痛快だ。それに応えてくれたサッカーW杯日本代表の話題で、きのう学校や職場は持ちきりだったことだろう。

 なにしろ相手は4年前に惨敗した南米の強豪コロンビアだ。試合のカギを握る先制点のきっかけをつくり、決勝ゴールを挙げたのが、郷土期待のストライカー大迫勇也選手とくれば気分はもう「半端ない」。

 ボールは丸い-。何が起こるか分からないというサッカーの格言である。今大会は連覇を目指すドイツが初戦を落とし、波乱が相次ぐ。そんな勝負の意外性もあって、W杯は世界中を熱狂させる。

 前回ブラジル大会で白星発進したチームが決勝トーナメントに駒を進めた確率は8割を超えるという。データに一喜一憂せず、サムライブルーのさらなる進化に期待するとしよう。