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 1950年6月25日、北朝鮮軍の7個師団が朝鮮半島を南北に分断する北緯38度線を越えて韓国に侵攻した。朝鮮戦争の始まりである。あれから今日で68年になる。

 戦争の展開は目まぐるしかった。韓国軍救援のため米軍中心の国連軍が投入されると一時、北朝鮮軍を中国国境付近まで追い詰めた。だが、中国義勇軍が参戦すると、国連軍は押し戻される。戦線は38度線付近で膠着(こうちゃく)し、休戦のまま現在に至っている。

 朝鮮戦争は多くの「誤算」に基づいた戦いだった。そう指摘するのは米国のジャーナリスト、故デイビッド・ハルバースタムだ。10年の歳月をかけて書いた「ザ・コールデスト・ウインター朝鮮戦争」(文春文庫)に詳しい。

 ソ連の指導者スターリンが北朝鮮に南への侵攻を許したのは、アメリカの介入はないと誤算したから。最たるものは、国連軍総司令官のマッカーサーが中国の参戦はないと確信して北へ兵を進めたことだった。誤算は数え切れない。

 今回は「成算」があるのだろう。初の米朝首脳会談でトップ同士が握手し、平和共存に向けて歴史の歯車を回そうと誓い合った。最大の懸案は朝鮮半島の非核化である。日本人拉致問題の解決も待ったなしだ。

 ただ今後の交渉は厳しいものになるとの見方が強い。休戦から終戦へ。双方が冷戦構造を解消する道をたどれるか。会談は「誤算だった」では済まされない。