( 7/5 付 )

 銀座、赤坂、横浜…。子どもの頃、テレビから流れてくる歌謡曲の地名に都会への憧れを感じた。同じように茅ケ崎、湘南、江の島には夏の海のイメージが焼きついている。

 40年前にデビューしたサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」で知った。ボーカルの桑田佳祐さんが作った「今何時? そうね、だいたいね」の歌詞は斬新で、しゃがれ声の早口の巻き舌に圧倒された。

 曲名は沢田研二さんの「勝手にしやがれ」とピンクレディーの「渚のシンドバッド」のパロディーである。コミックバンドと勘違いされたりもしたが、男の切ない恋心をバラードにした「いとしのエリー」で人気を不動にした。

 青春がサザンの曲と重なる中高年は少なくないだろう。お気に入りをカセットテープに編集し、桑田さんのまねをする仲間が1人や2人いたに違いない。音楽をスマートフォンで聴く20代も「TSUNAMI」や「真夏の果実」をカラオケで歌う。

 世代を超えてこんなに長く愛されるバンドは国内で他に知らない。日本語に乗せたロックを確立し、デジタル化への対応をいとわない進歩的な音楽観―。評論家のスージー鈴木さんは人気の秘密を評する。

 来月発売のアルバムも桑田節は健在のようだ。今年の夏は久しぶりにサザンの曲で海へドライブと決め込むとしよう。新曲か、それとも往年の名曲か。梅雨明けが待ち遠しい。