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 これぞチーム一丸の証しだろう。ゴールを決めるたびに一目散にベンチへ駆け寄り肩を抱き合う。サッカーW杯ロシア大会で、日本代表の戦いはひときわ印象に残った。

 宇佐美貴史選手の言葉が頼もしい。「苦しいときにベンチを見ろ。全員で戦っているぞという声が控え組から出ている」。仲間を信じる気持ちはピッチの選手の力になったに違いない。

 世界がW杯に沸くさなか、肩を寄せ合って暗闇の恐怖や飢えと闘うサッカーチームがいた。タイの洞窟で行方不明になってから10日目、無事が確認された地元の少年12人と男性コーチである。持ち合わせていた食料は数日で底をつき、後は雨水をすすってしのいだ。

 大雨による増水で身動きが取れなくなり、入り口から5キロほど奥の小高い場所に身を横たえて体力を温存したという。洞窟は少年らの遊び場で、地形の特徴をよく知っていたのは不幸中の幸いだった。

 洞窟内の水位は依然として高く、脱出するには相当な距離を潜水しなくてはならないそうだ。視界はほとんど利かず、しかも曲がりくねったり、1人しか通れないほど狭かったりする難所が続く。

 現地は雨期の真っただ中である。救出作業は予断を許さないが、日本や英米などの専門家の協力は心強い。今はただ全員救出という“ゴール”にたどり着くのを願うばかりだ。祈るように待つ家族と抱き合う姿を早く見たい。