( 9/22 付 )

 稲穂が出る少し前、田んぼに肥料をまくことを「穂肥(ほごえ)」という。稲穂の生育に必要な栄養分を与える。早期米の産地、鹿屋市吾平の福元康光さんに教わった。

 田植えの前に元肥(もとごえ)をたくさん入れると収量が増える。しかしタンパク質の含有量も増え、食味は落ちてしまう。「吾平米は元肥を少なめにしている分、穂肥を徹底してうま味を引き出す」。味へのこだわりが地域ブランドを守っている。

 福元さんの新米が今月、スポーツの強豪校、神村学園の寮生の食事に使われている。おいしいご飯は食欲をそそるだろう。「おかわり」の元気な声が聞こえるようだ。

 アスリートの強化を食で支援する活動に取り組む鹿屋体大講師の長島未央子さん(管理栄養士)が、福元さんと学校を橋渡しした。「親元を離れて暮らす寮生に、しっかりエネルギーを補給してほしい」。長島さんのそんな思いを生徒たちはかみしめていることだろう。

 ジュニア世代の食生活は、そのまま成長に影響する。長島さんによると、特に世界と戦うレベルの学生は、食事の管理も徹底している。けがや故障と違って体内の変化は見えにくいだけに、よけい気遣いが欠かせない。

 食事が大切なのは、もちろんアスリートに限らない。米作りの穂肥のように、栄養のバランスを考えた食事を毎日取れば、快適な体調を維持できる。健康であればこそ、秋の味覚も楽しめる。