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 アニメ「トムとジェリー」はけんかばかりしている猫のトムとねずみのジェリーが繰り広げるコメディーだ。いたずら好きの賢いジェリーは毎度トムに追いかけられるが、涼しい顔で逃げ切る。

 銀紙に包まれた四角いチーズしか知らなかった子ども時分、ジェリーが好物の穴のあいた大きなチーズに憧れたものだ。それが今はモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、はたまたチーズフォンデュと食の多様化には目を見張る。

 そんな欧州スタイルがいっそう身近になりそうだ。日本と欧州連合(EU)が経済連携協定(EPA)に署名した。関税の撤廃や引き下げで、高根の花だった食材が手頃に楽しめるのならありがたい。

 もちろん農業県としては手放しに喜べないが、心強い本に出合った。ドイツ在住の溝口シュテルツ真帆さん著「ドイツ夫は牛丼屋の夢を見る」だ。地元びいきの夫が「食べ物は日本の勝ち」と断言すると聞けば、商機はありそうだ。

 日・EUと対照的に、こちらはのっぴきならない関係に陥っている。世界1、2位の経済大国の米国と中国が幅広い製品に関税をかけ合う。「貿易戦争を発動した」「負けるわけにはいかない」と舌戦もとどまらない。

 トムとジェリーはへとへとになるまでやり合うのがお決まりだが、米中にそれをされてはたまらない。宿敵に見えても仲良しというアニメの設定とは異なるのが厄介である。