[JRダイヤ改正] 地元との対話を十分に
( 2/25 付 )

 JR九州は3月のダイヤ改正で、新幹線と在来線を合わせた運行本数を1日当たり117本削減すると正式発表した。
 昨年12月に示した当初計画から大きな変更はなかった。1987年の国鉄分割民営化以来、最大規模の減便である。鹿児島県内では7路線で36本減る。
 計画見直しを求める声を上げていた沿線自治体や住民からは、反発や落胆の声が上がっている。暮らしの利便性低下や、地域の衰退を加速させることへの懸念は当然だろう。
 JR側は「影響が判明した場合は柔軟に対応する」と改正後の修正の可能性を否定していない。沿線自治体や利用者との対話に一層力を入れるよう求めたい。
 当初計画から修正されたのは、削減対象だった吉都線の都城発吉松行きの最終列車だ。完全な廃止ではなく、平日限定で臨時運行することになった。
 定時制高校の生徒の帰宅に支障が生じることが分かったからだという。利用者の事情をくみ取る姿勢を地元に示したといえよう。
 ただ、なぜ最初からこうした利用状況を把握できなかったのだろうか。移動を鉄道に頼るしかない交通弱者への細かい目配りに力を注いでほしい。
 JR九州は今回の改正後、九州新幹線長崎ルートが暫定開業する2022年度までは大幅減便を伴うダイヤ改正はないとの認識を示している。
 沿線自治体や住民にとって、「これでひと安心」とはいかない。数年後の大幅削減や廃線検討の可能性は否定できないからだ。
 JR九州にとって、合理化は道半ばだ。鉄道事業単体の実質赤字は17年3月期で87億円に上る。特例で認められてきた鉄道設備の固定資産税の軽減措置は、上場に伴い18年度末で失効する。
 現在は駅ビルや不動産部門など多角化経営で収益拡大に成功しているが、鉄道事業の体質強化は急務とされる。効率化だけを考えれば、収支改善が見込めない不採算路線の存続は極めて厳しい。
 今後、バスへの転換や路線の三セク化、線路を沿線自治体が保有してJR九州が車両を運行する上下分割方式などが検討されよう。
 まず重要なのは、JR九州の企業努力だ。約30年前の民営化から経営安定基金など多額の国費で支えられてきた経緯を忘れてはならない。利用者の足を守ってこその公共交通機関である。
 さらに、沿線自治体や住民もあらためて危機感を持ちたい。路線維持を求めるなら、利用促進に本腰を入れなければならない。