[JR九州減便] 地元要望への対応急務
( 5/27 付 )

 JR九州が3月のダイヤ改正で大幅減便したのを受け、鹿児島県を含む関係自治体でつくる二つの協議会がJR側に便復活や車両増などの見直しを要望した。
 両協議会は自治体が実施した影響調査を基に、ダイヤ改正と車両数削減が通勤・通学に混雑や待ち時間拡大などの大きな影響を及ぼしている状況を訴えた。
 JR九州は「必要なものは対応する」との姿勢を見せた。
 高校生や高齢者といった交通弱者が不便を強いられている現状を十分に理解し、早急に対応してもらいたい。
 鹿児島県内は7路線で1日当たり計36本が削減された。
 県が4月16~27日に県内96高校と沿線14自治体に実施した影響調査の結果、新幹線を除く全6路線で「列車が混んでいて乗れないことがある」「帰宅が遅くなった」との意見が多数寄せられた。
 帰宅時間が1時間程度遅くなったケースもあり、毎日利用する高校生らの不満は大きい。心身の疲労も相当だろう。
 これでは、保護者も安心して学校に送り出せまい。
 要望では主に、肥薩線、指宿枕崎線、日豊線の早朝や夕方など高校生の登下校時間帯の便復活、減便に伴う混雑解消に向けた車両増を挙げた。
 JR側は改正後の4月中旬、肥薩線隼人発吉松行きの1便で、登校日に限り車両編成を1両から2両にしたという。こうした改善を今後も続けてほしい。
 ただ、利用客への影響は改正の時点で予測できたはずだ。
 今回の改正は1987年の国鉄分割民営化以来、最大規模の減便だったにもかかわらず、地元と事前協議はなかった。手法に問題があったことは否めない。
 自治体側が情報共有のための事前協議を求めたのは当然だ。
 JR九州は2018年3月期連結決算で過去最高益を上げたが、ローカル線の赤字は広がっているという。
 鉄道事業の体質強化を図る方針は理解できる。だが、公共交通機関としての役割を忘れてはならない。
 ローカル線の沿線自治体の人口は減少している。とはいえ、潜在需要を掘り起こす工夫や努力は欠かせない。
 自治体が線路を所有してJR九州が運行する「上下分離方式」などを検討する必要も出てこよう。
 いずれにせよ、JR九州と沿線自治体が利用や収支の状況などの情報を共有して、利用者増や路線維持のための知恵を出し合う態勢づくりを急ぐべきだ。