[飲酒不祥事] 安全管理体制の強化を
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 航空会社の飲酒不祥事はどこまで広がるのか。
 日航の女性客室乗務員が昨年12月、成田発ホノルル行きの機内で飲酒した問題で、国土交通省はきのう、行政指導として日航に業務改善勧告を出した。
 日航は昨年12月、パイロットの飲酒不祥事を踏まえ、より重い行政処分に当たる事業改善命令を国交省から受けたばかりである。
 今年に入り、成田発米シカゴ行きの機長が2017年12月、アルコール検査で別の機長を替え玉にした問題も発覚した。
 次々に明るみに出る実態をみれば、まだ隠された事案があるのではないかと疑ってしまうほどだ。
 石井啓一国土交通相は「安全上、重大な問題との認識が組織的に欠如している」と批判した。日航は安全管理体制を強化し、信頼回復に取り組むべきだ。
 勧告書によると、女性客室乗務員は17年11月にも機内で飲酒した疑いが指摘されていたのに会社は日常的な指導にとどめ、抜本的な原因究明や再発防止策を取っていなかった。
 女性乗務員は昨年12月17日に成田を出発した便で、乗客提供用のシャンパンを飲んだ。同乗の客室乗務員が酒の臭いがすると指摘し、機内の検査でアルコール反応が出たという。
 当初の調査では否定していたが、その後一転認めた。ごみ箱からシャンパンの空き瓶も見つかったことなどから飲酒があったとの調査結果の公表を受け、否定し続けることができないと思ったのか。認識の甘さにあきれる。
 日航は今後、機内や到着後に客室乗務員に抜き打ちのアルコール検査を行う方針だ。同時に乗務員の意識改革が求められる。
 さらに驚くのは、17年の替え玉アルコール検査だ。
 機長は予備の機器で検査したところ乗務禁止となるアルコールの値に近かったため不安に思い、同乗するもう1人の機長に身代わりを頼んだという。極めて悪質だと言わざるを得ない。
 航空会社では昨年秋以降、日航や全日空などでパイロットからアルコール反応が出て、出発が遅れるケースが続出した。
 日航では英国で副操縦士が逮捕されて実刑判決を受けたほか、検査記録がなくなっていた問題も明らかになった。
 国交省は各社任せだった飲酒規制を改め、パイロットへの検査の義務づけや、微量でも乗務を禁じる新ルールの導入を決めた。各社は安全の堅持が運航の大前提であることを改めて肝に銘じる必要がある。