[阪神大震災24年] 伝え、生かし、備えよう
( 1/18 付 )

 6434人が亡くなった阪神大震災から24年が経過した。兵庫県内各地の被災地ではきのう、追悼の集いが開かれた。
 四半世紀近くがたち、震災を経験していない世代が増えている。被災者やボランティアの高齢化で追悼行事が減少傾向にあるのが心配だ。震災の教訓を次の時代にどう引き継ぐかが課題となる。
 記憶の風化が懸念される中、昨年は大きな自然災害が相次いだ。
 朝のラッシュアワーを襲った大阪府北部地震、関連死を含め230人以上の犠牲者が出た西日本豪雨、最大震度7を観測した北海道の地震など、災害と隣り合わせの暮らしを実感させられた。
 兵庫県などでつくる県民会議が発表した「1.17ひょうご安全の日宣言」には、「災害を人ごとと考えず正視することが大切だ。伝える、生かす、備える。震災の教訓はすべての時代に通じる知恵だから」とある。
 震災の経験から生まれた身を守るための心構えに違いない。「災害列島」に住む者の宿命として心に刻みたい。
 都市部で震度6弱を観測した昨年6月の大阪府北部地震では大規模な火災はなかったものの、水道管破損による断水や交通網の混乱を来した。また、ブロック塀の倒壊が相次ぎ、登校中の女児が犠牲になる痛ましい事故もあった。
 その後の調査で、問題のあるブロック塀は全国に多数あることが分かった。撤去や応急の安全措置がとられたが、数が多く追いつかない。対策を急いでほしい。
 昨年9月の北海道の地震では、一時道内全域が停電する「ブラックアウト」が発生し、交通機関や役所、病院などの機能がストップした。震源地近くの大規模火力発電所が緊急停止し電力需給バランスが崩れたためとみられ、緊急時の電力の広域バックアップ体制などで課題が浮上した。
 最近の自然災害は「数十年に1度」とか「想定外」といわれることが多い。自然の猛威と諦めず、考えられる限りの対策を講じる必要がある。
 阪神大震災ではボランティアの力が注目された。いまや災害のたびに多数の人が被災地に駆け付ける。不十分な装備で被災地に入るなど混乱することもあったが、最近は受け入れ体制が整ってきた。
 さらに、被災地への支援物資の輸送や職員派遣など、自治体間の応援態勢も充実してきた。「減災」の力を高める取り組みが広がったのは心強い。
 防災対策にゴールはない。災害の教訓を積み重ね、安全安心に近づける不断の努力が欠かせない。